年上の爺さんに恋した婆さん(実家の母親・80歳)の介護認定の申請をする事になった。
「恋する婆さん」と「介護認定」って、なんだか結び付かない気もするけれど、そういう流れになったので仕方がない。
80歳の母親の体の方は至って元気で内臓も丈夫だし足腰も丈夫。不自由はひとつもない。生活する上で支障もなければプライベートでもやたらと遊び歩いている。日常はカラオケだのなんちゃら教室だのランチだのと、留守がち。
脳みその方は、物忘れは酷い。キャッシュカードの紛失は日常茶飯事で財布もよく失くす、薬の飲み忘れ・逆に飲みすぎも然り。こちらが認識しやすいこの程度のボケ具合は、隣に住む兄夫婦が管理してくれているので大丈夫。こういった年相応の物忘れは酷いけれど、他人との会話は芸人顔負けなくらい抜群な返しで圧倒。
ただですね・・ここには書けない「問題行動」多めなので、母親の精神面でも生活面でも、多岐に渡り非常に困っている事がたくさんある。それが精神的な事なのか?老人あるあるなのか?区別がつかない事も。
「老人の一人暮らしなら支援1」がつくような事も耳にした。「元気な人でも通えるデイサービス」のような存在も耳にした。
そういった経緯や、今もさることながら今後に備え、介護サービスとはどんなものでどのよな種類ががあるのか?今の母親の現状ではどのくらいのサービスが受けられるのか?そして今後の事も視野に入れ、知っておく事も必要だし、まあ他からの強い希望もあったりで(^^;
主治医に相談すると快諾し意見書を書いてくれたので、とりあえず申請はしてみようと予約をしてその日を待つ。
そして先日、介護申請の調査員の方が来た。
立会人は私。
これは当日の調査でよくある話しのようで、よく聞きますが、老人って調査員に対して頑張っちゃうみたいです。普段通りにしてくれるのが一番イイのに当日は頑張っちゃうのです。
私は予定時間より早く実家に行ったのですが、普段は耳にタコができるくらい「掃除してよ!」と言っているのにやらない。でも今日は「ほうき」持ってる姿にまずぶったまげ。
「お茶用意した方がいいよね?」とも聞かれた。挙句の果てに駐車場まで出迎えに行っていた。接待の心得。完璧。人としては良いけど調査の日としてはどおよ?
まず本人と調査員の一問一答が始まる。名前や生年月日・年齢、今日は何月何日なのか?そんな聞き取り調査から始まり、一人でお風呂は入っているか?洗濯は?ご飯は?などの日常生活へと続きます。
超適当に答えるので「嘘コケ」と何度も途中で口を挟みそうになったけれど、自分の順番までじっと待つ事にする。でも調査員は「嘘コケ報告」だなんて微塵も感じていないと思う。流れるように答えるので。
そういえば「今の季節は?」と聞かれた時、「秋」と答えれば良いのに、「そうね~ここんとこ暑かったけどそろそろ秋だと答えても良いかね~」なんつってレベルアップした回答するから。この人。
極めつけに、調査員が最初に袋の中から「腕時計・ボールペン・人差し指の絵」の3点を母親の前に差し出し、これを覚えておくように言われ、最後にもう一度聞いた。さっきの袋の中身は?と。
回答パーフェクト。えーー??いつもは3歩あるくと全部忘れるくせに。都合の良い脳ミソに萎える。
体に障害は何もないけれど、普段の生活に関して不自由している事がないか等の質問を受けたり、実際に体を動かしてみるよう指示をされる。
布団から起き上がる時の動作をするよう言われた母親は、その場にまず寝ころび、起き上がる動作をしたのですが、この婆さん、足に反動をつけて体操選手のように起き上がったから、調査員「おーー!!」と拍手喝采。
その後、私と調査員の2人で話そうと思いきや、何かを察した母親は、「私も聞きたい」と言い出す始末。仕方なく母親の居る前で普段の行動をバラすも、話し半分になってしまった。
こんな事も想定してA4用紙に「困っている事」と「こちらの思い」を分けてきっちり書いて行ったのでそれを調査員に参考にしてもらうよう手渡す。そして調査員を送りがてら外で続きを話し、その後、電話がかかってきて追加質問に答えたけれど・・。
その追加質問は、「歯磨きは一人でできますか?」「着替えは一人でできますか?」「買い物に行ったら買う物は指示しなくても自分で買えますか?」「お財布からは自分でお金を払えますか?」
まあ出来てます・・と答えるしかない。嘘もつけないし。
なんだか〇×方式の判定というのも、ちょっと違うよなーとも思う。〇×以外の困り事の方が厄介なんですよね。
基本的な身の回りの事は出来ているのです。ただ、問題児なのですよ。それが老人あるあるに結び付き該当するならば、介護サービスの中でできる範囲で助けてほしいという強い願望です。
家族の言う事は全く聞かない状況。でも外面ヨシコなので家族以外はワカリマセン。
こちらも叱責が激しくなり→更に聞く耳なしの悪循環。
他人には「目に見える症状がひとつもない」のが難点。そこが一番困っているところでもある訳です。
その調査員の方から、介護(支援)認定の結果は1か月~2ヵ月くらいかかってしまうので、担当地区の包括支援センターで、老人の一人暮らしの相談に対応していると教えて頂き。
来週行ってきます。何かしらの知恵と支援で、婆さんの暴走が止まれば・・と願いを込めて。